4K/8K放送番組をホテル客室で視聴できるようにするには

3000MHz帯という非常に高い周波数の4K/8K番組の信号を各客室テレビまで一定のレベルで伝送するためには、従来のテレビ共聴方式では到底無理です。

ホテルに限らず、大型の建築内の各テレビモニターへの4K/8K放送番組表示の場合、同軸ケーブル(アンテナ線)の距離によるもの及び中間にある分岐・分配器や直列ユニットなどの機器により信号減衰が激しい為、従来の共聴ラインに流しても末端まで信号レベルが保てません。

最近の大型建築物では、すでに4K/8K放送を考慮して配線方式をレベル差が大きくなり易い直列ユニット方式から、スター配線方式とし、末端にはテレビ端子を使うなど施工方法が変わってきているようです。もっともレジャーホテル系は、将来を見越していた訳ではありませんが、それなりの事情により昔からスター配線が基本です。

また、現在主流のS-5CFBといった同軸ケーブルも、一般家庭は別として、幹線は7CHFLなど昔は馴染みの太いケーブルに逆戻り現象が現れているようです。

アンテナからヘッドエンドまでの距離が有る場合は、10Cケーブルも使われていると聞きました。将来的には館内も光ケーブルが主流になるかも知れません。

アンテナ共聴のやり替えが困難である事を考慮すれば、将来はアンテナで受信した信号をヘッドエンドでIP化しサーバーへ取り込むなどして、客室テレビの裏などに設置した4K・8対応STBを経由してモニターへ番組を出画するようになるかも知れません。

コンピューター化された現在のテレビでは、アンテナケーブルで視聴するよりも、すでに多くの4Kコンテンツを配信しているNetflixやNTTぷらら等のIPTVをネットワークケーブル(LAN)で視聴する方法に軍配が上がるかもしれません。



公開日:2016年8月02日 | 最終更新日:2017年7月26日
カテゴリー ホテル映像情報システム