昭和も終わりの頃、この業界に飛び込み、業務用のアダルトコンテンツがあることを知った。
業務用アダルトコンテンツと言っても、要するにホテル客室で流すアダルトチャンネル用ビデオソフトである。
当時のソフトは日活ロマンポルノで、3/4インチ(通称シブサン)カセット仕様、Uマチック規格のビデオデッキで再生する。
その後、お馴染みのVHSビデオカセット規格に替わり、ソフト制作会社も数が増え、AV女優物から企画ものまでバラエティ豊かなソフトが豊富に作られるようになった。
VHSビデオデッキも業務用となり、2台を交互に再生する交互運転機が登場して、アダルトチャンネルも当時のビデオソフトはほとんどが30分ものだった事から、2作品1時間くらいで繰り返し再生できるようになった。
ただし、業務用ビデオデッキの場合、長時間にわたる繰り返し再生により、摩耗も早く、毎年オーバーホールを行う必要があったため、ホテルによっては年間数十万円のメンテナンス費用が発生していた。
業務用アダルトレーザーディスクは、片面CLVデスクで裏面アルミ打ち仕様の特殊な構造をしていた。
1枚のディスクに30分モノが2作品、または20分モノが3作品収録されていた。これを各ホテルへ毎月レンタルする。
勿論、業務許諾を取ったディスクで、版権込みであるため、仕入れ値は高価であったと記憶する。
初期はホテルスタッフも扱いが分からず、レコードのように記録面を上にして、『再生できない』との苦情も頂いた。
『レーザーは下から照射されているため、裏返してセットするように』と、幾度も指導していたものだ。
CDは材質がポリカーボネートであるのに対し、レーザーディスクはアクリルである。
記録面は表面から1.2mm位下にある。
しかし、取り扱いがぞんざいなホテルもあり、返却されるディスク表面がキズだらけの場合もあった。
中には、途中で止まるとか、同じ場面が繰り返して前へ進まないとのクレームも入る。
プレーヤーは光学機器であるため、訪問時には必要に応じてレンズクリーニングしていた。
クレームがあれば、勿論ディスク交換して放映に支障がないようにしていたが、返却ディスクのメンテナンスは少々面倒であった。
返却されるすべてのディスクを点検クリーニングし、キズがあれば極細のコンパウンドで磨き上げる。
放射線状のキズはあまり問題を起こさないが、円周状のキズは見逃すと再生が止まったり、絵飛び現象を起こす。
そのため、怪しいキズを見つけると必ず再生して確認する。
クレームのあったディスクを点検しても、中々キズが見つからない場合がある。
その様な場合は、退社時にビデオデッキに録画して帰る。
翌日ビデオ再生して、何分ぐらいで止まったか確認するため、朝からアダルトビデオとにらめっこ。
止まった時間がわかると、大体円周のどの辺りかが判るため、場所の絞り込みができる。
中には、コンパウンドで擦り過ぎて、少しへこんでしまったこともある。
当時はなんと因果な仕事かと思っていたが、その後業務用DVDとなり、現在ではCS放送に取って替わった。
VHSテープからレーザーディスクになった時、ずいぶん画質が良くなったと思ったが、現在のCS放送であれば、ほぼフルハイビジョン作品で、ここ30年余りで大きく画質が向上した感がある。
ちなみに、最近のVODコンテンツの場合は、ハイビジョン化が進んではいるが、フルハイビジョンではない場合が殆どで、更に毎月新作を放映しているCS放送と比べ、作品の鮮度は落ちると言える。
いずれにしてもLDの時代のように、朝っぱらから半端でないアダルトビデオを見ることはなくなった。
ホテル映像情報システムのご相談は、株式会社セルテックヘ
株式会社セルテック (Facebookページへ)
業務用アダルトコンテンツと言っても、要するにホテル客室で流すアダルトチャンネル用ビデオソフトである。
当時のソフトは日活ロマンポルノで、3/4インチ(通称シブサン)カセット仕様、Uマチック規格のビデオデッキで再生する。
その後、お馴染みのVHSビデオカセット規格に替わり、ソフト制作会社も数が増え、AV女優物から企画ものまでバラエティ豊かなソフトが豊富に作られるようになった。
VHSビデオデッキも業務用となり、2台を交互に再生する交互運転機が登場して、アダルトチャンネルも当時のビデオソフトはほとんどが30分ものだった事から、2作品1時間くらいで繰り返し再生できるようになった。
ただし、業務用ビデオデッキの場合、長時間にわたる繰り返し再生により、摩耗も早く、毎年オーバーホールを行う必要があったため、ホテルによっては年間数十万円のメンテナンス費用が発生していた。
この問題を解決したのが、非接触のレーザーディスクである。
国内で業務用アダルトレーザーディスクを提供する団体が1グループでき、後2グループになり、ホテルへのレンタルが徐々に始まった。
ちなみに、レーザーディスク作品の一般レンタルは禁止されていた。
同じ頃、ジャケットに入ったVHD規格のディスクも出回ったが、こちらは接触タイプの為、業務用としては不向きであった。
国内で業務用アダルトレーザーディスクを提供する団体が1グループでき、後2グループになり、ホテルへのレンタルが徐々に始まった。
ちなみに、レーザーディスク作品の一般レンタルは禁止されていた。
同じ頃、ジャケットに入ったVHD規格のディスクも出回ったが、こちらは接触タイプの為、業務用としては不向きであった。
※写真は、業務許諾されたレーザーディスク映画作品です
CLVとは
長時間記録モード(線速度一定)のディスクで、映画作品などがそうである。
これに対しカラオケ用レーザーディスクなどは両面CAV、即ち標準記録モードで角速度一定と言う事である。
長時間記録モード(線速度一定)のディスクで、映画作品などがそうである。
これに対しカラオケ用レーザーディスクなどは両面CAV、即ち標準記録モードで角速度一定と言う事である。
裏面アルミ打ちには理由がある。ホテルでの放映の場合、長時間連続再生される。レジャーホテルに至っては24時間稼働している。
交互運転装置がある場合でも、1日12時間は稼働していることになる。
この様な使用条件では、デッキ内の温度も上がり、一般のディスクでは熱によりディスクの周辺部が下がるお椀現象を起こす。
これを防ぐため、アルミ打ちしているが、1枚のディスクがかなりの重量になる。
家庭用のLDプレーヤーで再生させると、回転初期の負荷が大きくモーターがもたない。
そこで必ず業務用LDプレーヤーでの再生となる。(パイオニア製 LD-V520など)
交互運転装置がある場合でも、1日12時間は稼働していることになる。
この様な使用条件では、デッキ内の温度も上がり、一般のディスクでは熱によりディスクの周辺部が下がるお椀現象を起こす。
これを防ぐため、アルミ打ちしているが、1枚のディスクがかなりの重量になる。
家庭用のLDプレーヤーで再生させると、回転初期の負荷が大きくモーターがもたない。
そこで必ず業務用LDプレーヤーでの再生となる。(パイオニア製 LD-V520など)
※写真は、ホテルでの放映に特化した業務用LDプレーヤーです
勿論、業務許諾を取ったディスクで、版権込みであるため、仕入れ値は高価であったと記憶する。
初期はホテルスタッフも扱いが分からず、レコードのように記録面を上にして、『再生できない』との苦情も頂いた。
『レーザーは下から照射されているため、裏返してセットするように』と、幾度も指導していたものだ。
CDは材質がポリカーボネートであるのに対し、レーザーディスクはアクリルである。
記録面は表面から1.2mm位下にある。
しかし、取り扱いがぞんざいなホテルもあり、返却されるディスク表面がキズだらけの場合もあった。
中には、途中で止まるとか、同じ場面が繰り返して前へ進まないとのクレームも入る。
プレーヤーは光学機器であるため、訪問時には必要に応じてレンズクリーニングしていた。
クレームがあれば、勿論ディスク交換して放映に支障がないようにしていたが、返却ディスクのメンテナンスは少々面倒であった。
返却されるすべてのディスクを点検クリーニングし、キズがあれば極細のコンパウンドで磨き上げる。
放射線状のキズはあまり問題を起こさないが、円周状のキズは見逃すと再生が止まったり、絵飛び現象を起こす。
そのため、怪しいキズを見つけると必ず再生して確認する。
クレームのあったディスクを点検しても、中々キズが見つからない場合がある。
その様な場合は、退社時にビデオデッキに録画して帰る。
翌日ビデオ再生して、何分ぐらいで止まったか確認するため、朝からアダルトビデオとにらめっこ。
止まった時間がわかると、大体円周のどの辺りかが判るため、場所の絞り込みができる。
中には、コンパウンドで擦り過ぎて、少しへこんでしまったこともある。
当時はなんと因果な仕事かと思っていたが、その後業務用DVDとなり、現在ではCS放送に取って替わった。
VHSテープからレーザーディスクになった時、ずいぶん画質が良くなったと思ったが、現在のCS放送であれば、ほぼフルハイビジョン作品で、ここ30年余りで大きく画質が向上した感がある。
ちなみに、最近のVODコンテンツの場合は、ハイビジョン化が進んではいるが、フルハイビジョンではない場合が殆どで、更に毎月新作を放映しているCS放送と比べ、作品の鮮度は落ちると言える。
いずれにしてもLDの時代のように、朝っぱらから半端でないアダルトビデオを見ることはなくなった。
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