「イーセル」という電子部品を知っている人は、業界の人でもほとんどいなくなった。
昔、ホテル・旅館の客室のブラウン管テレビの側面にくっついていた、コインタイマーなるものの中で使われていた電子部品である。
昔のコインタイマーは、タイマーICでなく「イーセル」というコンデンサーの様な部品の放電容量で時間管理していた。多少の時間変動は気にしないおおらかな時代であった。
ただ、コインタイマーはテレビのビデオチャンネル(100%アダルト)の視聴制限のためのものであったため、どうにかしてタダでビデオが見れないものかと、昔からいたずらが絶えない。
コインタイマーの調整は、音声は聞こえるが画像はノイズの中に何とか見えるか見えない程度に調整する。
全く見えないとダメで売り上げが落ちる。絶妙な調整で興味をそそる状態が求められるのである。現在のデジタル時代ではできない、アナログならではの調整だ。
そうしたことで、必然的にいたずらが絶えない事になる。
一番可愛いいたずらは、5円玉を紐でぶら下げて試みるもので、100円硬貨限定のタイマーは内部のクレードルが動かず見ることができない。時々紐のついた5円玉を回収していた。
最も困ったいたずらは、何処から聞いたのか電源コードをショートさせるとビデオチャンネルが見えるとのうわさを信じ、電源ケーブルの途中を刃物でバチッとショートさせる行為だ。こんな荒業でビデオが見えるはずもなく、大方は断線して一晩テレビも見れず過ごす事になる。ただこれをやられると必ず修理に呼ばれる。
厄介なのが、電気・電子関連業者が宿泊した時だ。当時のコインタイマーはビデオチャンネルに対し、ビート発信機でジャミングしている構造なので、アンテナ線を迂回させればそれなりに見ることができる。
出張時に自前のアンテナケーブルを持参して、壁TV端子とテレビの間を直結している。
客室点検時に連泊の部屋でたまに発見することがあった。ホテルオーナーは見て見ぬふりをするとの事であった。
こうしたことが多く発生すると、ビデオの売り上げが上がらないため、ホテルオーナーから対策の相談をお受けする事になる。
一般の宿泊客に対しては、TV端子をねじ式(F型接栓)に替えて増し締めをしておけば、工具なしでは外れない。更には特殊工具なしでは空回りして外れない接栓もあった。
昔は今のようにネット環境が無く、容易くアダルトビデオを見ることができない時代だった。当時、出張族の楽しみの一つであったため、コインタイマーは良く稼いでくれたようだ。
おまけに、フロントレジで管理されてない現金収入であったため、一部はオーナーの別会計にしていた話も聞いた。
客室のコインタイマーに現金が貯まるが、コインを抜き取られる被害は余りなかったように記憶している。むしろ従業員による抜き取り被害の方が、案件としては多かったように思う。少額であればわからないが、大きく予測値と違うと疑わざるを得なくなる。
コインタイマーは、ブラウン管テレビ時代のものだったが、液晶テレビになってからもLアングルの金具に取り付け、テレビ横に設置しているのを見かけた方も多いと思うが、流石にもう見なくなってしまった。
デジタルの時代になって、地デジ対応コインタイマーなるものも発売され、ノスタルジックな興味を持ったが、アダルトコンテンツが溢れている現在、コインを投入して視聴する客も少なく、思うようには伸びていないと聞く。
弊社でも、取り扱いしていますのでご興味のある方は、株式会社セルテックヘ
昔、ホテル・旅館の客室のブラウン管テレビの側面にくっついていた、コインタイマーなるものの中で使われていた電子部品である。
昔のコインタイマーは、タイマーICでなく「イーセル」というコンデンサーの様な部品の放電容量で時間管理していた。多少の時間変動は気にしないおおらかな時代であった。
ただ、コインタイマーはテレビのビデオチャンネル(100%アダルト)の視聴制限のためのものであったため、どうにかしてタダでビデオが見れないものかと、昔からいたずらが絶えない。
ビジネスホテルのコインタイマーは、概ね100円で10分間、300円入れてやっと30分作品を1本見ることができる。当時のアダルトビデオ作品は、ストーリー性よりも、絡みシーンが10分間に1回以上で構成されている事が重要であった。
前置きの長い作品を流した際には、100円入れたのに絡みシーンがなかったと言って、腹いせにテレビやコインタイマーを壊される事がよくあった。これを修理に行くという何とも因果な商売であった。ちなみに旅館の場合は、一般的に300円スタートに設定していた。
先の「イーセル」が壊れていても、ビデオが見えないとアンテナケーブルや電源ケーブルを引きちぎられていた。
こうしたことで、宿泊客と我々設置業者の間で果てしない攻防戦が始まるのである。
前置きの長い作品を流した際には、100円入れたのに絡みシーンがなかったと言って、腹いせにテレビやコインタイマーを壊される事がよくあった。これを修理に行くという何とも因果な商売であった。ちなみに旅館の場合は、一般的に300円スタートに設定していた。
先の「イーセル」が壊れていても、ビデオが見えないとアンテナケーブルや電源ケーブルを引きちぎられていた。
こうしたことで、宿泊客と我々設置業者の間で果てしない攻防戦が始まるのである。
コインタイマーの調整は、音声は聞こえるが画像はノイズの中に何とか見えるか見えない程度に調整する。
全く見えないとダメで売り上げが落ちる。絶妙な調整で興味をそそる状態が求められるのである。現在のデジタル時代ではできない、アナログならではの調整だ。
そうしたことで、必然的にいたずらが絶えない事になる。
一番可愛いいたずらは、5円玉を紐でぶら下げて試みるもので、100円硬貨限定のタイマーは内部のクレードルが動かず見ることができない。時々紐のついた5円玉を回収していた。
最も困ったいたずらは、何処から聞いたのか電源コードをショートさせるとビデオチャンネルが見えるとのうわさを信じ、電源ケーブルの途中を刃物でバチッとショートさせる行為だ。こんな荒業でビデオが見えるはずもなく、大方は断線して一晩テレビも見れず過ごす事になる。ただこれをやられると必ず修理に呼ばれる。
厄介なのが、電気・電子関連業者が宿泊した時だ。当時のコインタイマーはビデオチャンネルに対し、ビート発信機でジャミングしている構造なので、アンテナ線を迂回させればそれなりに見ることができる。
出張時に自前のアンテナケーブルを持参して、壁TV端子とテレビの間を直結している。
客室点検時に連泊の部屋でたまに発見することがあった。ホテルオーナーは見て見ぬふりをするとの事であった。
こうしたことが多く発生すると、ビデオの売り上げが上がらないため、ホテルオーナーから対策の相談をお受けする事になる。
一般の宿泊客に対しては、TV端子をねじ式(F型接栓)に替えて増し締めをしておけば、工具なしでは外れない。更には特殊工具なしでは空回りして外れない接栓もあった。
昔は今のようにネット環境が無く、容易くアダルトビデオを見ることができない時代だった。当時、出張族の楽しみの一つであったため、コインタイマーは良く稼いでくれたようだ。
おまけに、フロントレジで管理されてない現金収入であったため、一部はオーナーの別会計にしていた話も聞いた。
その後のコインタイマーは、ビート方式からコンバーター方式になり、今までのいたずらは通用しなくなった。
一般映画のチャンネルを追加するなどした3波仕様のコインタイマーは、一般のテレビでは受信できないバンド(周波数)で送信し、コインタイマー内で復調しているため、直結しても視聴はできない。
また、500円硬貨が使える機種も登場した。
このタイプのコインタイマーには、コインボックスの中に修学旅行対策スイッチがあり、ビデオを完全に見られなく出来る機種もあった。これが出来ないと修学旅行生を受け入れることができないからだ。
コインタイマー全盛期の頃は、客室稼働率・視聴率などを勘案した売り上げ予測方程式が業界の中ではあった。視聴率はその時代ごとで多少変動するものの、この方程式を使うと逆にホテル稼働率や客層が予測できる。
一般映画のチャンネルを追加するなどした3波仕様のコインタイマーは、一般のテレビでは受信できないバンド(周波数)で送信し、コインタイマー内で復調しているため、直結しても視聴はできない。
また、500円硬貨が使える機種も登場した。
このタイプのコインタイマーには、コインボックスの中に修学旅行対策スイッチがあり、ビデオを完全に見られなく出来る機種もあった。これが出来ないと修学旅行生を受け入れることができないからだ。
コインタイマー全盛期の頃は、客室稼働率・視聴率などを勘案した売り上げ予測方程式が業界の中ではあった。視聴率はその時代ごとで多少変動するものの、この方程式を使うと逆にホテル稼働率や客層が予測できる。
客室のコインタイマーに現金が貯まるが、コインを抜き取られる被害は余りなかったように記憶している。むしろ従業員による抜き取り被害の方が、案件としては多かったように思う。少額であればわからないが、大きく予測値と違うと疑わざるを得なくなる。
コインタイマーは、ブラウン管テレビ時代のものだったが、液晶テレビになってからもLアングルの金具に取り付け、テレビ横に設置しているのを見かけた方も多いと思うが、流石にもう見なくなってしまった。
デジタルの時代になって、地デジ対応コインタイマーなるものも発売され、ノスタルジックな興味を持ったが、アダルトコンテンツが溢れている現在、コインを投入して視聴する客も少なく、思うようには伸びていないと聞く。
弊社でも、取り扱いしていますのでご興味のある方は、株式会社セルテックヘ