30年もセキュリティにまつわる仕事をしていると、色々な依頼をお受けし様々なカメラで隠し撮りした事を思い起こす。
今も私の机の引き出しには、どこかの現場で使わなくなったI型L型ピンホールレンズがある。
最初にお断りしておきますが、隠し撮りカメラと言っても公序良俗に反するお話ではありません。
- ホテルのフロントレジの売上金が抜かれている様子との事で、フロント事務所へ隠し撮りカメラを付けた事が有ります。
レジの上、2灯用埋め込み蛍光灯が節電で1灯のみ使用されていました。
使っていない蛍光灯のソケットを天井裏に押し込み、天井裏に業務用カメラを取り付け、外れたソケットの穴から撮影できるようにしました。
録画機材は、親夫婦が使っている部屋の押し入れの中に設置。
再生して見ると、親の非番の日に息子の悪友が来ていて、隙を見て抜き取っていました。 - あるレジャーホテルの改装時に、依頼により隠し撮りカメラを設置したケースが有ります。
ロビーの大理石でできた豪華な壁面に5ミリ位の小さな穴が開いており、以前からカメラが設置されていたらしく、新機種にやり替え設置しました。
レジャーホテルに隠しカメラは、見つかると経営を左右する事件にもなりかねません。
もし依頼が有れば、まずお断りしています。
ただし、このケースではロビーと言う事でプライベートスペースではなかった為お受けしました。
オーナーからの要望は、「人数と男女が確認出来れば良い。出来る限りぼかしてほしい」と言うものでした。
フロント事務所のモニターを見るのは地元のスタッフで、余りに鮮明な画像が映し出されると、地域で話題になってはいけない、さりとて入室人数の確認はしたいと言う、オーナーなりに気遣いしたものでした。
今では堂々とドームカメラが付いていて、ピースして入るカップルまでいますが、当時は来客にカメラを向けるのは、かなりはばかられていた時代でした。 - ある事務所で、来客によって応接室を使い分けしたいとのご要望で、エントランス壁に隠し撮りカメラを付けた事が有ります。
コンセントプレート窓にスモークフィルムを張った施工で、裏側のパイプスペースに業務用カメラを設置、事務所スタッフが確認してそれぞれの応接室にご案内するもので、設置後はうまく機能していました。
こうした監視カメラも今では堂々と設置できる風潮になって来ました。 - 大手企業の社員寮駐車場で車上狙いが頻発する事が有り、寮のベランダから撮りたいので望遠レンズを装着した防犯カメラを貸出して欲しいとの依頼が有りました。
1週間くらいで、犯人が写っている映像が記録出来、警察に届け出した様でした。
やはり寮生の仕業だったようです。 - ホテルの立体駐車場の現金が合わないとの事で、管理人の仕業と睨んだオーナーから、ポケットへ収まる位の小型カメラを貸してほしいとの依頼を受けました。
貸出して10日位して返却が有り、証拠の映像を突き付けて解雇したとのお話をお聞きしました。 - 同業の社長さんから聞いた話ですが、やはり事務所で事件が度々起こるとの事で、箱型スピーカーのサランネットの裏側へカメラを仕込んで社長室で見えるようにしたお話もお聞きしました。
そう言えば昔、スピーカー型防犯カメラという商品がありました。
今でも火災報知機型など、一見カメラに見えない商品も世の中にはたくさんありますが、出来ればこうした分野へはあまり足を踏み入れたくないものです。