かつてカラオケにも出会い系システムを取り入れている時代があった

平成6年頃(1994年頃)の話である。当時はレーザーカラオケ全盛期で、㈱パイオニアと指定施工店の契約を交わし、主に第一興商の集中カラオケ構築を中心に、中四国を忙しく駆け回っていた。

カラオケボックスの中でも、コンテナ型は岡山の「イエローBOX」が発祥で、当初はCDオートチェンジャーであったが、すぐにレーザー一色になり、LC-V50というオートチェンジャーが各部屋に1台(後2台)収まっていた。その後、V50からV55になり、チェンジャー内の2台のプレーヤーが二部屋に対応したため、コストパフォーマンスはよくなりますが、基板を取り換えてLC-V55にアップグレードする現場作業を営業時間外に行うため、深夜作業がきつかった記憶がある。

その当時は、フジテレビ系列で放送されていた「ねるとん紅鯨団」が人気で、お見合いパーティーを「ねるとんパーティー」と言っていたと記憶している。
とんねるずが司会していたその番組も終盤の頃だったか、「ねるとん紅鯨団」にあやかって「ねるとんカラオケ」なる商品が現れた。

当時、岡山駅西口の線路沿いには3軒のカラオケボックスがあった。その内の1軒で「ねるとんカラオケ」を導入することになった。
パイオニアの製品で第一興商からの依頼で施工したと記憶している。部屋にNEC製のカメラを付け、確か4部屋位を対応ルームにしたと思う。

仕組みはこうだ。
専用リモコンの操作で、女子の部屋から男子の部屋を覗くことができる。逆はできない。そこで気に入れば、声がけもできるし、二つの部屋でデュエットも出来、盛り上がればお互いに部屋を訪問することに発展する。要するにカラオケボックスの出会い系システムという感じであった。
カラオケボックス本来の使用目的からは少々外れた感があり、この1件の施工のみでその後広がりを見せなかった記憶が有る。「ねるとんカラオケ」を導入すると、出会い系カラオケボックスにジャンル分けされるため、一般の利用者が入りづらい状況だったのかもしれない。

全国的にも一時的な流行りで、カラオケボックスをよく利用していた人でも「ねるとんカラオケ」を知っている人は少ないように思う。
当然、今の若い方には何のことやらわからない。

当時はアナログシステムであったが、現在この様な機能をカラオケボックスで組むとなると、当然ネットワークになるでしょう。
新型コロナウイルス感染予防対策で、テレワークが急激に広まった現在では、オンラインビデオ通話が盛んに行われており、オンライン演奏会なども行われているので、この仕組みで難なく構築できるように思われる。

全国のカラオケボックスをオンラインで結べば「現代版ねるとんカラオケ」が現れるかもしれません。カラオケボックスでオンラインデュエットや、出会い系のシステムが再来するか見ものでもある。
デュエット



公開日:2020年9月14日 | 最終更新日:2020年9月15日
カテゴリー よもやま話