平成の時代をスピンアウトしたもの

そう言えばそんなものがあったような。
現れては消え去った業界のお話し。

最後の業務用ディスクカラオケ

昭和の終わり頃から平成にかけ、世の中はカラオケ全盛期で、カラオケボックスなるものが雨後のタケノコのように乱立した。
最初は絵のないCDオートチェンジャー、短期間ではあるがビデオCDオートチェンジャー、その後はレーザーカラオケ一色になり、大容量のLDオートチェンジャーが飛ぶように売れ、カラオケ業者は大いに繁盛したものだ。
初期型通信カラオケが普及し始めた1994年頃、パイオニアビーマックスエンターテイメント株式会社から、MPEG1方式の12cm業務用「アルファビジョンカラオケ」が発売されたが、時すでに遅しで普及には至らなかった。一般の方が殆ど知らないうちに消えてしまった。

世の中すっかり通信カラオケになり、ディスク販売から情報提供料という手数料商売になり利益率は落ちたものの、普及しきるまではハードの販売もあり、それなりに商売になったようだが、今ではカラオケボックスは随分見なくなり、大資本の店舗型に集約されてしまった。ナイト市場も有る店には有る状況。ただし、カラオケは決して廃れてしまったわけではない。

短命に終わったディレクTVとイーピー(ep)

我々の業界も、30年の間に表れては消えたものが幾つかある。
通信衛星関連では、「スカパー」といえば誰しもわかるが、元はJスカイとパーフェクトTV。
平成の初め頃「CSバーン」と「スカイポートTV」が一般顧客向け受信契約の窓口だった。
同じ頃、ミュージックバードをはじめとする音楽放送は6社が名乗りを上げたが、今では1社のみになり、現在ネット配信に取って代わろうとしている。
当時の非圧縮PCM放送は、その音質において圧巻だったが、時代の流れに押し流された感がある。
1997年になると、ディレクTVによる放送がスタートし、世の中多チャンネル時代に突入した。
しかしわずか3年弱でディレクTVが放送終了。この時代に業務契約したお客様から引き上げたディレクTVのカードが未だにたくさんある。

同2000年、蓄積型放送サービスがあった事は業界人でも忘れ去られているように思う。
「イーピー(ep)ステーション」という、有料の「ep蓄積サービス」で60GB程度のHDDやモデムを内蔵した110度CS/BSデジタル放送用チューナーである。
受信した無料コンテンツの蓄積とHDDレコーダーのような機能を有していた。
松下電器・東芝・シャープ・日本ビクター4社の肝入りではあったが、全く普及しなかった。
会社にデモ機を設置して、思案しているうちに2004年には早くもプラットホーム事業終了となり、発想は先進的で面白かったが、余りにもショボく一般顧客に受け入れてもらえなかった。



2021年4月30日 | カテゴリー よもやま話